2012年02月09日
スロバキアナショナルテニスセンター(Sibamac Arena)訪問
2012年2月7日、ヨーロッパ全体が寒波で震えているとある日に、スロバキアの首都ブラチスラバを訪問しました。というよりも、ブラチスラバのナショナルテニスセンターを訪問(見学)に行ってきました。「2012年再びブラチスラバへ(1)ナショナルテニスセンター訪問」に写真つきでまとめましたので、よろしければご覧ください。
また、その際に一緒に書いた、ブラチスラバの街のレポート(「2012年再びブラチスラバへ(2)ブラチスラバの街」)」もご一緒にどうぞ!
また、その際に一緒に書いた、ブラチスラバの街のレポート(「2012年再びブラチスラバへ(2)ブラチスラバの街」)」もご一緒にどうぞ!
2012年01月23日
李娜(Na Li)の全豪オープンテニス2012
今日、全豪オープンテニス2012で中国の 李娜 とベルギーのクライテルシュのゲームを、WOWOWで観戦しました。 李娜 は4本のマッチポイントをモノにできず敗退してしまいました。
2011年の全仏オープンで、中国人として、アジア人として初めて優勝した李娜 。その後、その明るいキャラクターが影を潜めているように見えるのが心配です。
少し前に「李娜(Na Li)は復活できるか?」でも書いたとおりです。
実は、クライテルシュと李娜は、テニスのスタイルも、年齢も近い二人です。二人とも30歳前後で、テニスの世界ではベテランと言ってもよいでしょう。クライテルシュは4回、李娜は1回のグランドスラムタイトルを持っています。クライテルシュは、それだけのキャリアの中、出産後にテニスシーンに戻ってきました。李娜が、自分もいつか子どもを持ちたいと思っているかどうかは分かりません。しかし、おそらく、李娜にとってクライテルシュは、テニスのキャリアでも、人生のキャリアでも、(良い意味で)刺激を受け、学ぶところが多い選手ではないかと思います。
今日の二人の試合は、テニスの試合でありながら、コート上に、何か、そのような二人の見えない意識が流れていたように、私には思えてなりませんでした。もちろん、テニスのゲームはゲーム、そこには、言葉の上での会話はありません。しかも、この顔合わせは、実は、昨年(2011年)の決勝戦の顔合わせでもあり、テニスの試合としての互いの意識は、かなり強いものがあったでしょう。
とはいえ、その二人が早いラウンド(4回戦)で当たるほど、今のテニスは若い世代にトップがシフトしてしまっています。その中で、この、家族を持ちながら世界のサーキットを回っている二人のベテランが、そういうテニスの戦い方もあるのだということを見せてくれることは、それだけで素晴らしいことだなと思うのです。
2011年の全仏オープンで、中国人として、アジア人として初めて優勝した李娜 。その後、その明るいキャラクターが影を潜めているように見えるのが心配です。
少し前に「李娜(Na Li)は復活できるか?」でも書いたとおりです。
実は、クライテルシュと李娜は、テニスのスタイルも、年齢も近い二人です。二人とも30歳前後で、テニスの世界ではベテランと言ってもよいでしょう。クライテルシュは4回、李娜は1回のグランドスラムタイトルを持っています。クライテルシュは、それだけのキャリアの中、出産後にテニスシーンに戻ってきました。李娜が、自分もいつか子どもを持ちたいと思っているかどうかは分かりません。しかし、おそらく、李娜にとってクライテルシュは、テニスのキャリアでも、人生のキャリアでも、(良い意味で)刺激を受け、学ぶところが多い選手ではないかと思います。
今日の二人の試合は、テニスの試合でありながら、コート上に、何か、そのような二人の見えない意識が流れていたように、私には思えてなりませんでした。もちろん、テニスのゲームはゲーム、そこには、言葉の上での会話はありません。しかも、この顔合わせは、実は、昨年(2011年)の決勝戦の顔合わせでもあり、テニスの試合としての互いの意識は、かなり強いものがあったでしょう。
とはいえ、その二人が早いラウンド(4回戦)で当たるほど、今のテニスは若い世代にトップがシフトしてしまっています。その中で、この、家族を持ちながら世界のサーキットを回っている二人のベテランが、そういうテニスの戦い方もあるのだということを見せてくれることは、それだけで素晴らしいことだなと思うのです。
2011年11月14日
ラケットインプレッション ダンロップ社NEOMAX2000(続編) 「柔らかくてローパワーで、ラケット面が手ごろな大きさ」
このブログで、新しく発売が開始されたダンロップ社NEOMAX2000のインプレッションを書いてから約2週間がたちました。その間、練習やゲームで、このラケットをずっと使っています。
使い続けてみた印象としては、最初のイメージ通りのラケットで、今のところ、何の不満もありません。一言でいうと、「とても気に入っています」ということです。
MAX200Gと似た、鈍く振動吸収性が高い(やわらかい)打球感は、ダンロップ社NEOMAX2000のインプレッションに書いた時から変わっていません。ラケット面が小さく、今となっては取り回しが難しいMAX200Gよりも、このラケットの方がより「よい(=使いやすい)」ラケットだと思います。
比較対象になりにくいかもしれませんが、私がそれまで使っていたWilson K-Fiveとラケット面サイズは同じですが、K-Fiveはボールが飛びすぎる(パワーがありすぎる)ので、ラケットを振りきることができないという弱点がありました。
K-Fiveはラケットのパワーがありすぎるので、インパクトでスイングを止めてしまうような(実際にはスイングを止めるわけではないのですが)打ち方になっていました。ラケット面が少しずれるだけでネットしたりバックアウトしたりするため、インパクトで力を加減してしまい、その結果、大きなフォロースルーを取れないような打ち方に、無意識の間になってしまっていたのでしょう。
このよくない傾向は、練習よりもゲームにおいて顕著です。ゲームでは、ミスをしないことが最優先するからです。飛びすぎ(バックアウト)が怖くて、腕が「ビビってしまう」という状態です。そうならないように、できるだけガットを硬めに張っても、結果は変わりませんでした。(これは、おそらく、私が、ラケットにおもりを貼って360~370gという重いラケットにしていることも、理由の一つだと思います。)
だからと言って、硬い感触のローパワーラケットは、私には向いていません。私は、フラット(フラットドライブ)でボールを運ぶ打ち方をします。ローパワーラケットで速いスイングでラケットを振りまわして強いスピンボールを打つことは、フラット系の私には難しいのです。
NEOMAX2000は、K-Fiveのような「飛びすぎる」という感じはしません。しかし、打球感は、他のローパワーラケットほどは難くはありません。
「柔らかくてローパワーで、ラケット面が手ごろな大きさ」という、私には理想的なラケットです。(実は、このイメージのラケットを探している方は、意外に多いのではないでしょうか?)
この感じは、MAX200Gと同じです。が、MAX200Gはラケット面が小さいため、NEOMAX2000と比較すると「飛ばなさすぎる」印象でした。NEOMAX2000は、程よくボールが飛んでくれます。
今、私がMAX200Gを使うと、実は、ボレーミスが多発します。理由は簡単で、ラケット面が小さいからです。NEOMAX2000では(ラケット面サイズのおかげで)ほかのミッドサイズのラケットと同じように安定してボレーを打つことができます。この点も、MAX200Gよりも気に入っている理由です。(ただし、他のミッドラケットと比較してボレーが飛躍的に打ちやすくなったとも思いませんが。)
ということで、今のところ、K-FiveやProkennexのRedondo Midよりも、NEOMAX2000を使っていくことになりそうです。かなり気に入りました。
以上、NEOMAX2000使用レポートの続報でした。
使い続けてみた印象としては、最初のイメージ通りのラケットで、今のところ、何の不満もありません。一言でいうと、「とても気に入っています」ということです。
MAX200Gと似た、鈍く振動吸収性が高い(やわらかい)打球感は、ダンロップ社NEOMAX2000のインプレッションに書いた時から変わっていません。ラケット面が小さく、今となっては取り回しが難しいMAX200Gよりも、このラケットの方がより「よい(=使いやすい)」ラケットだと思います。
比較対象になりにくいかもしれませんが、私がそれまで使っていたWilson K-Fiveとラケット面サイズは同じですが、K-Fiveはボールが飛びすぎる(パワーがありすぎる)ので、ラケットを振りきることができないという弱点がありました。
K-Fiveはラケットのパワーがありすぎるので、インパクトでスイングを止めてしまうような(実際にはスイングを止めるわけではないのですが)打ち方になっていました。ラケット面が少しずれるだけでネットしたりバックアウトしたりするため、インパクトで力を加減してしまい、その結果、大きなフォロースルーを取れないような打ち方に、無意識の間になってしまっていたのでしょう。
このよくない傾向は、練習よりもゲームにおいて顕著です。ゲームでは、ミスをしないことが最優先するからです。飛びすぎ(バックアウト)が怖くて、腕が「ビビってしまう」という状態です。そうならないように、できるだけガットを硬めに張っても、結果は変わりませんでした。(これは、おそらく、私が、ラケットにおもりを貼って360~370gという重いラケットにしていることも、理由の一つだと思います。)
だからと言って、硬い感触のローパワーラケットは、私には向いていません。私は、フラット(フラットドライブ)でボールを運ぶ打ち方をします。ローパワーラケットで速いスイングでラケットを振りまわして強いスピンボールを打つことは、フラット系の私には難しいのです。
NEOMAX2000は、K-Fiveのような「飛びすぎる」という感じはしません。しかし、打球感は、他のローパワーラケットほどは難くはありません。
「柔らかくてローパワーで、ラケット面が手ごろな大きさ」という、私には理想的なラケットです。(実は、このイメージのラケットを探している方は、意外に多いのではないでしょうか?)
この感じは、MAX200Gと同じです。が、MAX200Gはラケット面が小さいため、NEOMAX2000と比較すると「飛ばなさすぎる」印象でした。NEOMAX2000は、程よくボールが飛んでくれます。
今、私がMAX200Gを使うと、実は、ボレーミスが多発します。理由は簡単で、ラケット面が小さいからです。NEOMAX2000では(ラケット面サイズのおかげで)ほかのミッドサイズのラケットと同じように安定してボレーを打つことができます。この点も、MAX200Gよりも気に入っている理由です。(ただし、他のミッドラケットと比較してボレーが飛躍的に打ちやすくなったとも思いませんが。)
ということで、今のところ、K-FiveやProkennexのRedondo Midよりも、NEOMAX2000を使っていくことになりそうです。かなり気に入りました。
以上、NEOMAX2000使用レポートの続報でした。
2011年11月01日
ウッドラケットで優勝した最後のプレーヤー
ご存知の方もおられるかもしれませんが、ミロスラフ・メシールは、実は、ウッドラケットでシングルスの優勝した最後のプレーヤーとして記録(記憶)されています。メシール自身は、選手時代のインタビューで「グラファイトのラケットも使ってみたけれど、子どものころから使い慣れたウッドのラケットを換えることはできなかった」とコメントしています。ほとんどすべてのプレーヤーが、子どものころに使っていたウッドラケットをグラファイト系に換えていった1980年代の話です。
さて、メシールは、なぜ、ウッドのラケットにこだわったのでしょうか?私は、それは、ウッドラケットが振動吸収性の高いラケットだったからだと考えています。メシールのようなフラットドライブ系プレーヤーは、本質的に、柔らかく振動吸収性が高いラケットを好む傾向にあると思っています。
今回は、フラットドライブ系プレーヤーと振動吸収性の高いラケットの関係について、考えてみたいと思います。
一昨日、Dunlop社のNEOMAX2000のインプレを書きました。その際に、NEOMAX2000は、私の個人的な印象ですが、打球感がかつてのMAX200Gに似ており、「振動が少なく、鈍く厚い打球感」と書きました。
この打球感は、どうやって作られるのかなぁ…と考えていたのですが、ふと、思ったのが、運動量保存の法則とエネルギー保存の法則です。この2つの物理法則と「少ない振動・鈍く厚い打球感」がどんな関係にあるのかを、今回、考察してみようと思います。
さて、私のようなフラット(フラットドライブ)系のボールを打つ場合には、自分の打った球に順回転をかけることは主目的にはなりません。ボールの速度(移動速度)が重要です。一方、相手の打った球は、速度と回転を両方持っています。特に、相手がスピナーの場合は、回転の比重がその分大きくなります。
相手のボール(速度と回転)を自分のボール(速度中心)にして打ち返したいのが、フラットドライブ系のストロークの目的となります。「いかに相手のボールの速度を利用しながら、しかしボールの回転を殺すか」が、フラットドライブ系の課題になるわけです。
運動量については、重いラケットでボール方向に垂直にラケット面を作り、ボール方向にスイングする(ボール進行方向とラケット面が移動する方向が一直線になる)と保存できます。つまり、このようにラケットを振るお、相手のボールの速度と同じ速度(またはそれよりも速い速度)でボールを打ちかえすことができます。ラケットが(ボールの重さと比べて)重ければ重いほど、速度を作りやすくなります。(ラケットが重いと、その分だけ体や腕に対する負担が大きくなるので、ラケットが重ければよいというわけでもありませんが。)
回転については、スピン系ボールをフラットドライブ系ボールで打ち返すことを考えると、相手のボールと自分のボールは回転方向が逆になります。つまり、相手のボールの回転をすべて吸収して、さらに、それとは逆の回転をかけることになります。
その方法は、おおざっぱにいうと、①順回転方向にボールを打つことで相手のボールの回転を逆の回転にする、②ラケットでボールの回転エネルギーを吸収する、の2つがあり得ます。②では、相手のボールの回転を逆回転にすることはできませんが、回転を0にすることは(理屈上は)できます。
多くのスピン系のプレーヤーは、①を行うために、ラケットをボールに対してこすり上げます。フラットドライブ系プレーヤーも、①が中心となりますが、ラケットが②を行ってくれるとその分だけスイングは楽になります。
さて、ここからが本題です。私がMAX200GやNEOMAX200Gなどの振動吸収系ラケットが好きな理由は、もしかしたら、上の②の仕事をラケットがしてくれるからなのではないかと思ったのです。振動吸収とは、実は、ボールの回転吸収なのではないかと。これらのDunlop社のラケットにかかわらず、一般的に、フレームの柔らかい(振動吸収系の)ラケットは、相手のボールの回転エネルギーを吸収しやすいと(直観的には)思います。
ただし、ボールのエネルギーを吸収するラケットは、欠点もいくつかあります。
一つは、ボールの回転エネルギーと同時に、運動エネルギーも吸収してしまうということです。つまり、相手の打ったボールの速度も吸収してしまうということです。速度を吸収してしまうと、その分、速いボールを打てません。その際に役に立つのが、ラケットの重さです。運動エネルギーを吸収してもボールに反対方向の速度を与えるためには、ラケット自身が重ければその分だけ容易になります。(運動エネルギーは吸収しても、運動量は保存できるからです。)
もう一つは、ボールの回転エネルギーをラケットが吸収した際に、そのエネルギーはどこに行くのかということです。フラットドライブ系プレーヤーにとってはエネルギー吸収系ラケットは望ましいかもしれませんが、ラケットが吸収したエネルギーが振動として腕に伝わってしまうと、テニスエルボなどの故障の原因となってしまいます。
ラケットが吸収したエネルギーをどのように振動エネルギーとしてラケット内で消費するかという技術は、私にはよく分かりません。が、時々、ラケットの振動吸収をアピールするラケットの広告(振動が急激に小さくなるグラフなど)を見ると、そういう技術があるのだと思います。
この話は、おそらく、スポーツ学などでは常識的な(基本的な)話かもしれません。また、理屈と実際は、実はかなり一致しないのかもしれません。
が、フラット系グランドストロークの私が、どうして、NEOMAX2000のような「柔らかくて振動吸収性の高いラケット」が好きで、それに鉛をべたべたと貼って使っているのかを考えると、物理の理屈とは見事に一致します。今まで、無意識に、物理法則を考えてラケットを選んでいたのかもしれません。
理屈にも合うのですから、NEOMAX2000が、ますます好きになりそうです(笑)。
さて、メシールは、なぜ、ウッドのラケットにこだわったのでしょうか?私は、それは、ウッドラケットが振動吸収性の高いラケットだったからだと考えています。メシールのようなフラットドライブ系プレーヤーは、本質的に、柔らかく振動吸収性が高いラケットを好む傾向にあると思っています。
今回は、フラットドライブ系プレーヤーと振動吸収性の高いラケットの関係について、考えてみたいと思います。
一昨日、Dunlop社のNEOMAX2000のインプレを書きました。その際に、NEOMAX2000は、私の個人的な印象ですが、打球感がかつてのMAX200Gに似ており、「振動が少なく、鈍く厚い打球感」と書きました。
この打球感は、どうやって作られるのかなぁ…と考えていたのですが、ふと、思ったのが、運動量保存の法則とエネルギー保存の法則です。この2つの物理法則と「少ない振動・鈍く厚い打球感」がどんな関係にあるのかを、今回、考察してみようと思います。
さて、私のようなフラット(フラットドライブ)系のボールを打つ場合には、自分の打った球に順回転をかけることは主目的にはなりません。ボールの速度(移動速度)が重要です。一方、相手の打った球は、速度と回転を両方持っています。特に、相手がスピナーの場合は、回転の比重がその分大きくなります。
相手のボール(速度と回転)を自分のボール(速度中心)にして打ち返したいのが、フラットドライブ系のストロークの目的となります。「いかに相手のボールの速度を利用しながら、しかしボールの回転を殺すか」が、フラットドライブ系の課題になるわけです。
運動量については、重いラケットでボール方向に垂直にラケット面を作り、ボール方向にスイングする(ボール進行方向とラケット面が移動する方向が一直線になる)と保存できます。つまり、このようにラケットを振るお、相手のボールの速度と同じ速度(またはそれよりも速い速度)でボールを打ちかえすことができます。ラケットが(ボールの重さと比べて)重ければ重いほど、速度を作りやすくなります。(ラケットが重いと、その分だけ体や腕に対する負担が大きくなるので、ラケットが重ければよいというわけでもありませんが。)
回転については、スピン系ボールをフラットドライブ系ボールで打ち返すことを考えると、相手のボールと自分のボールは回転方向が逆になります。つまり、相手のボールの回転をすべて吸収して、さらに、それとは逆の回転をかけることになります。
その方法は、おおざっぱにいうと、①順回転方向にボールを打つことで相手のボールの回転を逆の回転にする、②ラケットでボールの回転エネルギーを吸収する、の2つがあり得ます。②では、相手のボールの回転を逆回転にすることはできませんが、回転を0にすることは(理屈上は)できます。
多くのスピン系のプレーヤーは、①を行うために、ラケットをボールに対してこすり上げます。フラットドライブ系プレーヤーも、①が中心となりますが、ラケットが②を行ってくれるとその分だけスイングは楽になります。
さて、ここからが本題です。私がMAX200GやNEOMAX200Gなどの振動吸収系ラケットが好きな理由は、もしかしたら、上の②の仕事をラケットがしてくれるからなのではないかと思ったのです。振動吸収とは、実は、ボールの回転吸収なのではないかと。これらのDunlop社のラケットにかかわらず、一般的に、フレームの柔らかい(振動吸収系の)ラケットは、相手のボールの回転エネルギーを吸収しやすいと(直観的には)思います。
ただし、ボールのエネルギーを吸収するラケットは、欠点もいくつかあります。
一つは、ボールの回転エネルギーと同時に、運動エネルギーも吸収してしまうということです。つまり、相手の打ったボールの速度も吸収してしまうということです。速度を吸収してしまうと、その分、速いボールを打てません。その際に役に立つのが、ラケットの重さです。運動エネルギーを吸収してもボールに反対方向の速度を与えるためには、ラケット自身が重ければその分だけ容易になります。(運動エネルギーは吸収しても、運動量は保存できるからです。)
もう一つは、ボールの回転エネルギーをラケットが吸収した際に、そのエネルギーはどこに行くのかということです。フラットドライブ系プレーヤーにとってはエネルギー吸収系ラケットは望ましいかもしれませんが、ラケットが吸収したエネルギーが振動として腕に伝わってしまうと、テニスエルボなどの故障の原因となってしまいます。
ラケットが吸収したエネルギーをどのように振動エネルギーとしてラケット内で消費するかという技術は、私にはよく分かりません。が、時々、ラケットの振動吸収をアピールするラケットの広告(振動が急激に小さくなるグラフなど)を見ると、そういう技術があるのだと思います。
この話は、おそらく、スポーツ学などでは常識的な(基本的な)話かもしれません。また、理屈と実際は、実はかなり一致しないのかもしれません。
が、フラット系グランドストロークの私が、どうして、NEOMAX2000のような「柔らかくて振動吸収性の高いラケット」が好きで、それに鉛をべたべたと貼って使っているのかを考えると、物理の理屈とは見事に一致します。今まで、無意識に、物理法則を考えてラケットを選んでいたのかもしれません。
理屈にも合うのですから、NEOMAX2000が、ますます好きになりそうです(笑)。
2011年10月31日
テニスの心理学(書評:ヴィック・ブレイデン著「TENNIS2000」第9章)
中古書店で、ヴィック・ブレイデンのTennis2000という書籍を購入しました。分厚い本で、最初から最後まで読むのは難しそうですが、興味のある章だけを拾い読みしています。
ヴィック・ブレイデンは、私でも知っている有名なアメリカのテニスアカデミー運営者の一人です。
技術についての章も面白いですが、第9章の「テニスの心理学」という章を興味深く読んでいます。何かにつけて一番であることがすべてと思われているアメリカのスポーツ界において、この章で、ブレイデンは、誰もが1番になれるわけではないのだから、テニスにはもっと大切なことがあるということを述べています。
その中で、「テニスに現れる個人の人格について」という項目があり、以前書いた、「人格はプレースタイルを超えることができない」という記事を思い出しました。
ブレイデンは書きます。「テニスをすると、おさえつけられていたその人の持っている本来の性格が現れてくる」と。村上龍氏の言うところの「人格はプレースタイルを超えることができない(その人の人格が必ずプレーの中に見えてくる)」ということを、ブレイデンも言っているのです。
ブレイデンは、こんなことも書いています。「前の国連大使であるアンドリュー・ヤング氏は、同僚のテニスコートでの振る舞いを観察して、その人の性格について貴重な情報を得たそうである。」
私は、こんなふうに考えます。
つまり、我々は、テニスを通じて、自分の日常での性格をコントロールできる可能性がある、と。日常では難しくても、テニスによって自分を変えていくのです。
私は、昔から、自分の感情をコントロールすることが苦手でした。特に、自分が追い込まれたり、頭に「かっ」と血が上ると自分のコントロールができなくなります。これは、テニスでも同じでした。ミスをすると、自分が許せなくなり、ラケットを投げたりしてしまうのです。
今の私は、試合中も、そして普段の練習も、常に自分を客観的に見ようとしています。試合でミスをしたら、その理由を考えます。今の自分の技術の中で最善の策は何であるかを考えます。最善の策の判断を誤ったり、分かっているはずなのにボールが飛んできた瞬間に異なる判断をしたりすると、自分に腹が立ちますが、同時にそのことを忘れずに次に活かすことを考えます。
このことが、今度は、日常の自分にも影響してきます。仕事上で同じことができるようになるとまでは言い切れませんが、普段から、「客観的に自分を見る」「その時々で自分の持つ最善の選択肢を選ぶ」ことを考えるようになります。それが、また、テニスにもフィードバックします。
私を含む多くのアマチュアプレーヤーは、日常の自分の鍛錬のためにテニスをするのではありません。しかし、では、我々は、何のためにテニスをするのでしょうか…?
ヴィック・ブレイデンは、私でも知っている有名なアメリカのテニスアカデミー運営者の一人です。
技術についての章も面白いですが、第9章の「テニスの心理学」という章を興味深く読んでいます。何かにつけて一番であることがすべてと思われているアメリカのスポーツ界において、この章で、ブレイデンは、誰もが1番になれるわけではないのだから、テニスにはもっと大切なことがあるということを述べています。
その中で、「テニスに現れる個人の人格について」という項目があり、以前書いた、「人格はプレースタイルを超えることができない」という記事を思い出しました。
ブレイデンは書きます。「テニスをすると、おさえつけられていたその人の持っている本来の性格が現れてくる」と。村上龍氏の言うところの「人格はプレースタイルを超えることができない(その人の人格が必ずプレーの中に見えてくる)」ということを、ブレイデンも言っているのです。
ブレイデンは、こんなことも書いています。「前の国連大使であるアンドリュー・ヤング氏は、同僚のテニスコートでの振る舞いを観察して、その人の性格について貴重な情報を得たそうである。」
私は、こんなふうに考えます。
つまり、我々は、テニスを通じて、自分の日常での性格をコントロールできる可能性がある、と。日常では難しくても、テニスによって自分を変えていくのです。
私は、昔から、自分の感情をコントロールすることが苦手でした。特に、自分が追い込まれたり、頭に「かっ」と血が上ると自分のコントロールができなくなります。これは、テニスでも同じでした。ミスをすると、自分が許せなくなり、ラケットを投げたりしてしまうのです。
今の私は、試合中も、そして普段の練習も、常に自分を客観的に見ようとしています。試合でミスをしたら、その理由を考えます。今の自分の技術の中で最善の策は何であるかを考えます。最善の策の判断を誤ったり、分かっているはずなのにボールが飛んできた瞬間に異なる判断をしたりすると、自分に腹が立ちますが、同時にそのことを忘れずに次に活かすことを考えます。
このことが、今度は、日常の自分にも影響してきます。仕事上で同じことができるようになるとまでは言い切れませんが、普段から、「客観的に自分を見る」「その時々で自分の持つ最善の選択肢を選ぶ」ことを考えるようになります。それが、また、テニスにもフィードバックします。
私を含む多くのアマチュアプレーヤーは、日常の自分の鍛錬のためにテニスをするのではありません。しかし、では、我々は、何のためにテニスをするのでしょうか…?
2011年10月30日
Dunlop NEOMAX2000 インプレッション
このブログでは珍しい、テニスラケットのインプレです。
私は20代のころ(1980年代後半)にMAX200Gを使っていたのですが、それから15年ほど(1993年~2008年)は、仕事の関係でラケットに触ることがありませんでした。2008年にテニスを再開したの時に、MAX200Gに近いイメージのラケット探したのですが、なかなか見つかりませんでした。ダンロップ社のRIMシリーズ(私が使ったのはダイアクラスター・リム2.5)がやや近い感触だったのですが、RIMシリーズそのものが販売終了した後でしたので、中古市場にあるものしか手に入りませんでした。(Pro-2000RIMというラケットがMAX200Gの後継機種と聞いていますが、2008年にテニスを再開した時には、もう、市場で見かけることはありませんでした。)
その後もずっと、MAX200Gに近い感触のラケットを探していたのですが、なかなか見つかりませんでした。今どきのテニスには向いていないタイプのラケットですから、もう、販売されることはないだろうと諦めていました。1か月ほど前(2011年9月ごろ)にダンロップのネオマックス2000(Dunlop NEOMAX2000)販売開始の記事を見て、「これは!」と期待しました。楽天オープンのときにダンロップ社のブースで現物を見て、やはり求めていたラケットだと直感し、試打もせずに注文したのです。
そのラケットが、今日、届きました。早速、コートで試しに打ってみました。(実は、草大会のダブルスの試合で、練習もなしで、いきなりゲームで使ってみたのですが(笑)。)
ガットは、Wilson NXT 16を56ポンドで張ってもらいました。グリップサイズは2です。私は、普段から重いラケットを使うのですが、今回もラケットのトップ側に鉛を貼り、重さを(ガット張上がりで)375g程度にしました。
ゲームで使っただけで、まだ、十分に打ち込んでいないのですが、ネット上にもまだほとんど流れていないようですので、このラケットのインプレッションを報告しようと思います。(もちろん、ここに書くのは私個人の印象ですので、使う人によって全く異なる意見をお持ちになることもあると思いますので、あくまで参考ということでお読みください。)
ボールを打った第一印象は、「NEOMAX2000はラケット面が大きくなったMAX200Gだ!」です。打球感は、MAX200Gの懐かしいあの感覚です。どう表現すればよいのでしょうか、振動が少なく、鈍く厚い打球感とでもいいましょうか。
しかも、MAX200Gと比べるとラケット面が大きいので、私のレベルでもスイートスポットを外した「ガシャン」というショットが少なくて、助かります。MAX200Gは、ラケット面が小さいために、なかなかラケットの真ん中でボールを捉えることができませんでした。(今でもMAX200Gを持っているのですが、これが理由で、このラケットは押入れで眠っています。)
スイートスポットを外すとボールが飛ばなかったMAX200Gと比較して、NEOMAX2000は私ぐらいの技量でもスイートスポットを大きくは外しません。そのおかげで、今日、コートでボールを打った限りでは、「スイートスポットを外してしまって飛ばないなあ」ということはありませんでした。
打球感はMAX200Gを思い出させますが、ラケット面の大きさと打球感を併せると、むしろ、ミズノのCX-603に近いかもしれません。かつて、リサ・ボンダーが使っていたラケットです。CX-603はMAX200G以上にやわらかい打球感を持つラケットで、私は気に入って使っていたのですが、フレームが弱いのが欠点でした。私は、CX-603を2本か3本、プレー中に壊しました。ガットが切れることはよくありますが、ラケットが壊れるという経験はCX-603以外ではしたことがありません。(MAX200Gもフレームが弱いそうですが、私は壊したことはありません。)
NEOMAX2000は、CX-603と同じように、「壊れてしまうのではないだろうか」と感じるぐらい、相手が打ったボールの振動をラケットが吸収してくれるような感触があります。
私は、ボールの嫌な振動を吸収してくれるやわらかい(=Flex値またはRA値が小さい)ラケットが好きなのですが、今、市場に出回っているやわらかいラケットの多くは女性向けで、ラケット面が大きすぎ、ラケット重量が軽すぎるのです。100インチ以上のラケット面は、パワーやスピードよりもコントロールを重視するプレースタイルの私には、大きすぎます。普段、鉛を貼って360g以上にしている私には、300gを切るラケットは軽すぎます。
ラケット面が大きすぎず(100インチ以下…できれば95インチ以下)、振動吸収をしてくれるやわらかいフレームのラケットとして、私は、長い間(と言っても2年半ぐらい)、Wilson K-Five98(ラケット面のサイズは98インチ)を使っていました。このラケットは、振動吸収性が高い構造を持っており、しかもそれほどはラケット面が大きくないということで、長い間、気に入って使っていました。(それでも、重量を370g程度にするために、鉛をべたべた貼っています。)
しかし、少しずつ技量が上がるにしたがって、このラケットのボールコントロール性の低さが辛くなってきました。ラケット面が大きすぎること、ラケットが2つに分かれる構造、フレームの柔らかさが、シングルスのゲームで思ったところにボールを運ぶことには、マイナスに働いたのです。ボレーなどは、いい加減な打ち方をしても相手のコートにボールが返るので、ダブルスでは重宝するのですが…。
Wilson K-Five98を使いながら、フレームが柔らかくて、ラケット面がK-Five98よりも大きくない(コントロール性が高い)ラケットを探して、見つけたのが、つぎの2つのラケットです。
ProKennex Heritage Type C Redondo Mid
トアルソン アロー
前者は海外通販で購入したのですが、日本国内ではC1 ProTour ver.07という名前で販売しているようです。(販売店に確認したところ、これらは(ほぼ)同じだろうということでした。)
Heritage Type C Redondo Midとアローは、(MAX200GやNEOMAX2000とおなじ)ブレイデッドグラファイト(ブレイデッドカーボン)という製法で作られており、比較的近い打球感を持っています。また、前者は93インチ、後者は95インチということで、ラケット面が大きすぎるということはありません。(実は、ProKennex Heritage Type C RedondoにはMidPlusがあり、こちらは98インチです。両方とも持っているのですが、93インチの方が、コントロールを重視したい私には合っています。このことからも、大きいラケット面のラケットが自分にはあまり向いていないということが分かりました。)
ただし、この2つのラケットは、(言葉で表現するのは難しいのですが)インパクトよりも少し前にラケットが撓る(しなる)ような感じがすることがあります。(特に、トアルソン アローがそうです。)特に、テイクバックが大きすぎるスイングをしてしまった時(私にはよくないフォーム)に、それが顕著です。この撓る感覚は、ボールコントロールには不向きです。インパクト前にラケットヘッドが振れてしまうので、コントロールが安定せず、ぶれる感じがするのです。(ただし、テイクバックが小さくなると、この撓りはほとんど感じなくなりましたので、私の技量によるところが大きいようです。)
NEOMAX2000は、MAX200Gと同様に、そのような撓り感はありません。また、適度にラケット面が大きいので、ボレーなどもしやすく、ダブルスでは使いやすそうです。おそらく、ダブルスでは、今後は、Wilson K-Five98よりもNEOMAX2000を使うと思います。
シングルスでは、ダブルスよりもグランドストロークのコントロール性が要求されます。ProKennex Heritage Type C Redondo Midは打球感がよく、しかもコントロール性が高いので、私は、シングルスではこのラケットを使ってきました。ただし、93インチのやや小さめのラケット面は、ラケットの真ん中でボールを捉えることができなかった時に、肘に負担がかかります。また、ボレーを打つ時は、ちょっと手を伸ばして打ったような手抜きをすると、全くボールが飛びません。その点は、NEOMAX2000に分がありそうです。もし、NEOMAX2000が、Wilson K-Five98と同じようなコントロール性の低さが問題にならないようであれば、シングルスでもNEOMAX2000を使うかもしれません。
NEOMAX 2000インプレッション⇒続編はこちら
私は20代のころ(1980年代後半)にMAX200Gを使っていたのですが、それから15年ほど(1993年~2008年)は、仕事の関係でラケットに触ることがありませんでした。2008年にテニスを再開したの時に、MAX200Gに近いイメージのラケット探したのですが、なかなか見つかりませんでした。ダンロップ社のRIMシリーズ(私が使ったのはダイアクラスター・リム2.5)がやや近い感触だったのですが、RIMシリーズそのものが販売終了した後でしたので、中古市場にあるものしか手に入りませんでした。(Pro-2000RIMというラケットがMAX200Gの後継機種と聞いていますが、2008年にテニスを再開した時には、もう、市場で見かけることはありませんでした。)
その後もずっと、MAX200Gに近い感触のラケットを探していたのですが、なかなか見つかりませんでした。今どきのテニスには向いていないタイプのラケットですから、もう、販売されることはないだろうと諦めていました。1か月ほど前(2011年9月ごろ)にダンロップのネオマックス2000(Dunlop NEOMAX2000)販売開始の記事を見て、「これは!」と期待しました。楽天オープンのときにダンロップ社のブースで現物を見て、やはり求めていたラケットだと直感し、試打もせずに注文したのです。
そのラケットが、今日、届きました。早速、コートで試しに打ってみました。(実は、草大会のダブルスの試合で、練習もなしで、いきなりゲームで使ってみたのですが(笑)。)
ガットは、Wilson NXT 16を56ポンドで張ってもらいました。グリップサイズは2です。私は、普段から重いラケットを使うのですが、今回もラケットのトップ側に鉛を貼り、重さを(ガット張上がりで)375g程度にしました。
ゲームで使っただけで、まだ、十分に打ち込んでいないのですが、ネット上にもまだほとんど流れていないようですので、このラケットのインプレッションを報告しようと思います。(もちろん、ここに書くのは私個人の印象ですので、使う人によって全く異なる意見をお持ちになることもあると思いますので、あくまで参考ということでお読みください。)
ボールを打った第一印象は、「NEOMAX2000はラケット面が大きくなったMAX200Gだ!」です。打球感は、MAX200Gの懐かしいあの感覚です。どう表現すればよいのでしょうか、振動が少なく、鈍く厚い打球感とでもいいましょうか。
しかも、MAX200Gと比べるとラケット面が大きいので、私のレベルでもスイートスポットを外した「ガシャン」というショットが少なくて、助かります。MAX200Gは、ラケット面が小さいために、なかなかラケットの真ん中でボールを捉えることができませんでした。(今でもMAX200Gを持っているのですが、これが理由で、このラケットは押入れで眠っています。)
スイートスポットを外すとボールが飛ばなかったMAX200Gと比較して、NEOMAX2000は私ぐらいの技量でもスイートスポットを大きくは外しません。そのおかげで、今日、コートでボールを打った限りでは、「スイートスポットを外してしまって飛ばないなあ」ということはありませんでした。
打球感はMAX200Gを思い出させますが、ラケット面の大きさと打球感を併せると、むしろ、ミズノのCX-603に近いかもしれません。かつて、リサ・ボンダーが使っていたラケットです。CX-603はMAX200G以上にやわらかい打球感を持つラケットで、私は気に入って使っていたのですが、フレームが弱いのが欠点でした。私は、CX-603を2本か3本、プレー中に壊しました。ガットが切れることはよくありますが、ラケットが壊れるという経験はCX-603以外ではしたことがありません。(MAX200Gもフレームが弱いそうですが、私は壊したことはありません。)
NEOMAX2000は、CX-603と同じように、「壊れてしまうのではないだろうか」と感じるぐらい、相手が打ったボールの振動をラケットが吸収してくれるような感触があります。
私は、ボールの嫌な振動を吸収してくれるやわらかい(=Flex値またはRA値が小さい)ラケットが好きなのですが、今、市場に出回っているやわらかいラケットの多くは女性向けで、ラケット面が大きすぎ、ラケット重量が軽すぎるのです。100インチ以上のラケット面は、パワーやスピードよりもコントロールを重視するプレースタイルの私には、大きすぎます。普段、鉛を貼って360g以上にしている私には、300gを切るラケットは軽すぎます。
ラケット面が大きすぎず(100インチ以下…できれば95インチ以下)、振動吸収をしてくれるやわらかいフレームのラケットとして、私は、長い間(と言っても2年半ぐらい)、Wilson K-Five98(ラケット面のサイズは98インチ)を使っていました。このラケットは、振動吸収性が高い構造を持っており、しかもそれほどはラケット面が大きくないということで、長い間、気に入って使っていました。(それでも、重量を370g程度にするために、鉛をべたべた貼っています。)
しかし、少しずつ技量が上がるにしたがって、このラケットのボールコントロール性の低さが辛くなってきました。ラケット面が大きすぎること、ラケットが2つに分かれる構造、フレームの柔らかさが、シングルスのゲームで思ったところにボールを運ぶことには、マイナスに働いたのです。ボレーなどは、いい加減な打ち方をしても相手のコートにボールが返るので、ダブルスでは重宝するのですが…。
Wilson K-Five98を使いながら、フレームが柔らかくて、ラケット面がK-Five98よりも大きくない(コントロール性が高い)ラケットを探して、見つけたのが、つぎの2つのラケットです。
ProKennex Heritage Type C Redondo Mid
トアルソン アロー
前者は海外通販で購入したのですが、日本国内ではC1 ProTour ver.07という名前で販売しているようです。(販売店に確認したところ、これらは(ほぼ)同じだろうということでした。)
Heritage Type C Redondo Midとアローは、(MAX200GやNEOMAX2000とおなじ)ブレイデッドグラファイト(ブレイデッドカーボン)という製法で作られており、比較的近い打球感を持っています。また、前者は93インチ、後者は95インチということで、ラケット面が大きすぎるということはありません。(実は、ProKennex Heritage Type C RedondoにはMidPlusがあり、こちらは98インチです。両方とも持っているのですが、93インチの方が、コントロールを重視したい私には合っています。このことからも、大きいラケット面のラケットが自分にはあまり向いていないということが分かりました。)
ただし、この2つのラケットは、(言葉で表現するのは難しいのですが)インパクトよりも少し前にラケットが撓る(しなる)ような感じがすることがあります。(特に、トアルソン アローがそうです。)特に、テイクバックが大きすぎるスイングをしてしまった時(私にはよくないフォーム)に、それが顕著です。この撓る感覚は、ボールコントロールには不向きです。インパクト前にラケットヘッドが振れてしまうので、コントロールが安定せず、ぶれる感じがするのです。(ただし、テイクバックが小さくなると、この撓りはほとんど感じなくなりましたので、私の技量によるところが大きいようです。)
NEOMAX2000は、MAX200Gと同様に、そのような撓り感はありません。また、適度にラケット面が大きいので、ボレーなどもしやすく、ダブルスでは使いやすそうです。おそらく、ダブルスでは、今後は、Wilson K-Five98よりもNEOMAX2000を使うと思います。
シングルスでは、ダブルスよりもグランドストロークのコントロール性が要求されます。ProKennex Heritage Type C Redondo Midは打球感がよく、しかもコントロール性が高いので、私は、シングルスではこのラケットを使ってきました。ただし、93インチのやや小さめのラケット面は、ラケットの真ん中でボールを捉えることができなかった時に、肘に負担がかかります。また、ボレーを打つ時は、ちょっと手を伸ばして打ったような手抜きをすると、全くボールが飛びません。その点は、NEOMAX2000に分がありそうです。もし、NEOMAX2000が、Wilson K-Five98と同じようなコントロール性の低さが問題にならないようであれば、シングルスでもNEOMAX2000を使うかもしれません。
NEOMAX 2000インプレッション⇒続編はこちら
2011年10月22日
東レパンパシフィック2011決勝 ~やっぱりたった5歩のダンス
少し時間がたってしまいましたたが、東レパンパシフィックオープン2011の決勝戦をテレビ観戦しました。
素人の私が見えてもパワーで劣るラドワンスカが、ランキング4位のズボナレワに圧勝しました。私は試合を見ていませんが、ラドワンスカの準決勝の相手はやはりパワーテニスのアザレンカですので、準決勝でも、おそらく、同じようなテニスを展開したのだと思います。
試合を見る限り、ズボナレワが自滅したという人が多いかもしれませんが、試合を見ていて、私には、ラドワンスカがズボナレワに「打ち勝った」と思いました。
どうして、あんなに小柄なラドワンスカがズボナレワの強打に打ち負けるどころか、打ち勝つことができたのか…。テニスにおいて、パワー(球威)のあるボールを打つポイントは、スイングの速さではなく、ステップ(足運び)なのではないかと思ったのです。
以前、たった5歩のダンス、というブログを書きました。テニスにおいては、実は、このステップ(ダンス)が、最も重要なポイントの一つなのではないかと、改めて思いました。テニスは、体格ではないのです。
もちろん、そのステップを支える下半身の安定感については、体格が有利・不利になることもあるでしょう。しかし、小柄で細身のラドワンスカは、私に、希望を与えてくれました。
当時のブログを、再度、掲載したいと思います。2011年のウィンブルドンについて書いた記事です。
ウィンブルドンの試合をテレビで見るのは何年振りかだったのですが、今年は、特に、神尾米さんが解説を担当されていた第1週目(前半)の女子の試合を中心に、WOWOWで放映された何試合かを見ました。(私は、米さんのファンなので(笑)。)
今年の女子は、クビトバ(チェコ)の初優勝で幕を閉じた女子シングルスですが、女子の試合を何試合か見ているうちに、ふと気が付いたことがあります。
それは、大型化が進む女子選手の中に、比較的小柄であったり、またはスリムであったりするプレーヤーが混じっている(残っている?)ということです。
最近の女子テニス界は、ウイリアムス姉妹はもちろんのこと、シャラポワ、アザレンカ、クビトバ、リシツキと、大型でスケールの大きなテニスをする女子プレーヤーが目立ちます。
その中で、時々、小柄またはスリムな選手が時々上位に進出するのですが、これが楽しみの一つになっています。たとえば、今年、私が見た試合では、ピロンコバ(ブルガリア)やエラコビッチ(ニュージーランド:ダブルスでベスト4)などがそうでしょうか。(少し前だと、ヒンギスがそうですね。そういえば、エナンの2度目の引退は、残念でなりません。)
しかし、ただ小柄だったらよいというわけではありません。たとえば、準々決勝でアザレンカと戦ったオーストリアのパスゼックは、小柄ですが、私にはあまり魅力的なテニススタイルには見えませんでした。
体格がよい(もっと正確には身長と体重がある)選手は、フットワーク(正確にはステップ)とストロークが独立しても強いボールを打つことができます。フットワークを使ってボールの打点にまず移動する。移動してから、改めてボールに体重を乗せてボールを打つ。この2つの作業を別々に、連続して行うことができるのです。
しかし、体格がよいわけではない選手は、ステップワークとストロークがうまく同期(シンクロ)しなくてはなりません。打点のところまでのステップは、同時に、ストロークの一部でなくてはなりません。コート上での動きは、すべてが、ストロークの一部というわけです。そのためには、力の使い方も、体の使い方も、そしてステップにも無駄がありません。
そういうプレーヤーは、見ていて美しいし、楽しいのです。別項(メシールのテニス(12) なぜメシールのテニスは美しいのか~フットワークについて)で書きましたが、私がメシールのテニスが好きな理由は、メシールは典型的な後者のプレーヤーだからです。他には、かつてのチェコスロバキア選手として活躍したハナ・マンドリコバなどがそうでしょう。精神的にむらっけがあったものの、マンドリコバのプレーは、コートの中でまるで踊っているように美しいものでした。
話は変わりますが、もし、あなたが、ベースラインの真ん中で構えてベースライン上で相手のボールをストロークで打つとして、ボールをヒットするのに何歩が必要かご存知ですか?ご存知がない方は、ぜひ、一度、コートで試してみてください。意外に少ないことに驚かれると思います(私は驚きました)。
たとえば、私の場合、フォアハンドはほぼ2歩、バックハンドは3歩です。つまり、合計でたった5歩で、実は、ベースラインの端から端までをカバーできるのです。最初の一歩は、フォアもバックも、ボールと反対側の足になります。たとえば、フォアハンドでは、左足が一歩目になります。
フォアハンドとバックハンドで歩数が違うのは、私の場合は(メシールを真似して)フォアハンドは基本的にはオープンスタンスで打つからです。また、実は、2歩では、サイドラインから50㎝~1mほど足りないため、本当にギリギリのボールに対しては、あと1歩(または2歩)必要になることもあります。私のレベル(中級)ではそこまできわどい球が飛んでくることは、ほとんどありませんが。
つまり、テニスのストローク戦は、この5歩でどこまで戦えるかということになります。たった5歩と言っても、簡単ではありません。特に、ボールを打った後で元のポジションに戻るときも、フォア2歩、バック3歩で戻らねばなりません。ストロークで、右足または左足に体重が乗っているところでそれを戻し、さらに、少ない歩数でレディーポジションに戻るためには、ボールに入る・ボールを打つ・体重を戻す・レディーポジションに戻るという一連の動きがスムーズであることが求められます。
この一連の動きに無駄がなく、スムーズでなめらかであると、テニス全体が美しく感じます。
コートの上で、フットワークとストロークには境目はありません。フットワークを含めた大きな一つのストロークプレーがあるだけです。
広いコート上での、たった、5歩の、ダンス。
特に、両手バックハンドは、左膝と腰をしっかり落とすことが大切ですので、バックハンドの一連の動きのフットワーク全体に対する負担は大きくなります。メシールが、バックハンドストロークのアンフォースドエラーの後で、「もっとしっかり腰を落として!」と自分に言い聞かせるのを何度か見たことがあります。それでも、一連の動きはスムーズでなくてはなりません。
5歩の動きの中で、ボールをヒットする。これがスムーズで同期しているテニスこそが、美しいテニスです。バランスを崩さず、体重移動をスムーズに、そしてその中でボールとの距離の微調整をうまく取れること。ボールを強くたたくことよりも、ボールに強いスピンをかけるよりも、流れるようなプレーの中で重いボールを打つことが大切です。
このブログの最初の目的は、私自身が、なぜ、メシールのテニスを美しいと感じるかということでした。少しずつ、その答えに迫ってきているように感じます。
素人の私が見えてもパワーで劣るラドワンスカが、ランキング4位のズボナレワに圧勝しました。私は試合を見ていませんが、ラドワンスカの準決勝の相手はやはりパワーテニスのアザレンカですので、準決勝でも、おそらく、同じようなテニスを展開したのだと思います。
試合を見る限り、ズボナレワが自滅したという人が多いかもしれませんが、試合を見ていて、私には、ラドワンスカがズボナレワに「打ち勝った」と思いました。
どうして、あんなに小柄なラドワンスカがズボナレワの強打に打ち負けるどころか、打ち勝つことができたのか…。テニスにおいて、パワー(球威)のあるボールを打つポイントは、スイングの速さではなく、ステップ(足運び)なのではないかと思ったのです。
以前、たった5歩のダンス、というブログを書きました。テニスにおいては、実は、このステップ(ダンス)が、最も重要なポイントの一つなのではないかと、改めて思いました。テニスは、体格ではないのです。
もちろん、そのステップを支える下半身の安定感については、体格が有利・不利になることもあるでしょう。しかし、小柄で細身のラドワンスカは、私に、希望を与えてくれました。
当時のブログを、再度、掲載したいと思います。2011年のウィンブルドンについて書いた記事です。
ウィンブルドンの試合をテレビで見るのは何年振りかだったのですが、今年は、特に、神尾米さんが解説を担当されていた第1週目(前半)の女子の試合を中心に、WOWOWで放映された何試合かを見ました。(私は、米さんのファンなので(笑)。)
今年の女子は、クビトバ(チェコ)の初優勝で幕を閉じた女子シングルスですが、女子の試合を何試合か見ているうちに、ふと気が付いたことがあります。
それは、大型化が進む女子選手の中に、比較的小柄であったり、またはスリムであったりするプレーヤーが混じっている(残っている?)ということです。
最近の女子テニス界は、ウイリアムス姉妹はもちろんのこと、シャラポワ、アザレンカ、クビトバ、リシツキと、大型でスケールの大きなテニスをする女子プレーヤーが目立ちます。
その中で、時々、小柄またはスリムな選手が時々上位に進出するのですが、これが楽しみの一つになっています。たとえば、今年、私が見た試合では、ピロンコバ(ブルガリア)やエラコビッチ(ニュージーランド:ダブルスでベスト4)などがそうでしょうか。(少し前だと、ヒンギスがそうですね。そういえば、エナンの2度目の引退は、残念でなりません。)
しかし、ただ小柄だったらよいというわけではありません。たとえば、準々決勝でアザレンカと戦ったオーストリアのパスゼックは、小柄ですが、私にはあまり魅力的なテニススタイルには見えませんでした。
体格がよい(もっと正確には身長と体重がある)選手は、フットワーク(正確にはステップ)とストロークが独立しても強いボールを打つことができます。フットワークを使ってボールの打点にまず移動する。移動してから、改めてボールに体重を乗せてボールを打つ。この2つの作業を別々に、連続して行うことができるのです。
しかし、体格がよいわけではない選手は、ステップワークとストロークがうまく同期(シンクロ)しなくてはなりません。打点のところまでのステップは、同時に、ストロークの一部でなくてはなりません。コート上での動きは、すべてが、ストロークの一部というわけです。そのためには、力の使い方も、体の使い方も、そしてステップにも無駄がありません。
そういうプレーヤーは、見ていて美しいし、楽しいのです。別項(メシールのテニス(12) なぜメシールのテニスは美しいのか~フットワークについて)で書きましたが、私がメシールのテニスが好きな理由は、メシールは典型的な後者のプレーヤーだからです。他には、かつてのチェコスロバキア選手として活躍したハナ・マンドリコバなどがそうでしょう。精神的にむらっけがあったものの、マンドリコバのプレーは、コートの中でまるで踊っているように美しいものでした。
話は変わりますが、もし、あなたが、ベースラインの真ん中で構えてベースライン上で相手のボールをストロークで打つとして、ボールをヒットするのに何歩が必要かご存知ですか?ご存知がない方は、ぜひ、一度、コートで試してみてください。意外に少ないことに驚かれると思います(私は驚きました)。
たとえば、私の場合、フォアハンドはほぼ2歩、バックハンドは3歩です。つまり、合計でたった5歩で、実は、ベースラインの端から端までをカバーできるのです。最初の一歩は、フォアもバックも、ボールと反対側の足になります。たとえば、フォアハンドでは、左足が一歩目になります。
フォアハンドとバックハンドで歩数が違うのは、私の場合は(メシールを真似して)フォアハンドは基本的にはオープンスタンスで打つからです。また、実は、2歩では、サイドラインから50㎝~1mほど足りないため、本当にギリギリのボールに対しては、あと1歩(または2歩)必要になることもあります。私のレベル(中級)ではそこまできわどい球が飛んでくることは、ほとんどありませんが。
つまり、テニスのストローク戦は、この5歩でどこまで戦えるかということになります。たった5歩と言っても、簡単ではありません。特に、ボールを打った後で元のポジションに戻るときも、フォア2歩、バック3歩で戻らねばなりません。ストロークで、右足または左足に体重が乗っているところでそれを戻し、さらに、少ない歩数でレディーポジションに戻るためには、ボールに入る・ボールを打つ・体重を戻す・レディーポジションに戻るという一連の動きがスムーズであることが求められます。
この一連の動きに無駄がなく、スムーズでなめらかであると、テニス全体が美しく感じます。
コートの上で、フットワークとストロークには境目はありません。フットワークを含めた大きな一つのストロークプレーがあるだけです。
広いコート上での、たった、5歩の、ダンス。
特に、両手バックハンドは、左膝と腰をしっかり落とすことが大切ですので、バックハンドの一連の動きのフットワーク全体に対する負担は大きくなります。メシールが、バックハンドストロークのアンフォースドエラーの後で、「もっとしっかり腰を落として!」と自分に言い聞かせるのを何度か見たことがあります。それでも、一連の動きはスムーズでなくてはなりません。
5歩の動きの中で、ボールをヒットする。これがスムーズで同期しているテニスこそが、美しいテニスです。バランスを崩さず、体重移動をスムーズに、そしてその中でボールとの距離の微調整をうまく取れること。ボールを強くたたくことよりも、ボールに強いスピンをかけるよりも、流れるようなプレーの中で重いボールを打つことが大切です。
このブログの最初の目的は、私自身が、なぜ、メシールのテニスを美しいと感じるかということでした。少しずつ、その答えに迫ってきているように感じます。
2011年10月16日
フィラ半額
今回は、ちょっとやわらかい話を。
ご存知の方も多いと思いますが、テニス観戦の楽しみの一つが、スタジアムコート外での「出店」です。ジャパンオープンでは、お祭り広場に日本に代理店または販売店があるブランドはほとんどすべてが出店を出しています。
私は、普段、フィラのテニスウェアを着ているのですが、フィラは、他のブランドよりも豊富な品ぞろえでアパレル半額セールをしています。SからLLまで、どのサイズにも、たくさんの商品が並んでいます。
半額でフィラが購入できるのもうれしいですが、品ぞろえが豊富なこともうれしいです。
このためにだけ期間中に有明に来る価値があるなあと思いました。思わず、たくさん買い物をしてしまいました。
ご存知の方も多いと思いますが、テニス観戦の楽しみの一つが、スタジアムコート外での「出店」です。ジャパンオープンでは、お祭り広場に日本に代理店または販売店があるブランドはほとんどすべてが出店を出しています。
私は、普段、フィラのテニスウェアを着ているのですが、フィラは、他のブランドよりも豊富な品ぞろえでアパレル半額セールをしています。SからLLまで、どのサイズにも、たくさんの商品が並んでいます。
半額でフィラが購入できるのもうれしいですが、品ぞろえが豊富なこともうれしいです。
このためにだけ期間中に有明に来る価値があるなあと思いました。思わず、たくさん買い物をしてしまいました。
2011年10月14日
2011年ジャパンオープン準決勝 2階級違うマレーとフェレールの基礎的な身体能力
2011年ジャパンオープン準決勝のマレー対フェレールを有明のスタジアムコートで生で見ての感想です。もしかしたら、テレビで観戦しても同じ印象を持ったかもしれませんが、生で見て強く感じたので、書いておこうと思います。
それは、この二人の身体能力が、あまりに違うということです。素人の私が見てわかるぐらいに、マレーはフェレールの身体能力を大きく上回っていたのです。世界ランキングは4位と5位の二人ですが、私が試合を見た印象は、まるで、二階級ぐらい違う二人のボクサーが試合をしているようでした。
フェレールの熱意のあるグランドストロークには好感を持ったのですが、しかし、マレーの前では、まるで大学生と中学生の試合のようでした。フェレールが必死になって打ったボールを、マレーがいとも簡単に1.5倍のスピードで打ち返してしまうシーンを、試合中に幾度も見ました。
男子ランキングの4位と5位の間には、おそらく、1位と4位の間よりも大きなギャップがあることを、思い知らされたゲームでした。フェレールには申し訳ないのですが、基本的な身体能力がここまで違うと、フェレールがマレーに勝つにはどうすればよいのか、私には全くわからないですね。残酷なプロスポーツの摂理を垣間見た試合でした。
それは、この二人の身体能力が、あまりに違うということです。素人の私が見てわかるぐらいに、マレーはフェレールの身体能力を大きく上回っていたのです。世界ランキングは4位と5位の二人ですが、私が試合を見た印象は、まるで、二階級ぐらい違う二人のボクサーが試合をしているようでした。
フェレールの熱意のあるグランドストロークには好感を持ったのですが、しかし、マレーの前では、まるで大学生と中学生の試合のようでした。フェレールが必死になって打ったボールを、マレーがいとも簡単に1.5倍のスピードで打ち返してしまうシーンを、試合中に幾度も見ました。
男子ランキングの4位と5位の間には、おそらく、1位と4位の間よりも大きなギャップがあることを、思い知らされたゲームでした。フェレールには申し訳ないのですが、基本的な身体能力がここまで違うと、フェレールがマレーに勝つにはどうすればよいのか、私には全くわからないですね。残酷なプロスポーツの摂理を垣間見た試合でした。
2011年10月13日
とてもよかった試合前の写真撮影とマレーの兄(ジャパンオープン2011レポート)
20年ぶりにジャパンオープンを観戦しました。当時、ちょっとしたトランクぐらいの業務用に近い大きさのビデオカメラを持ち込んで、係員に撮影しないように怒られたことを懐かしく思い出しながら、当時とは全く違う雰囲気の有明を楽しんできました。
私が見たのは、準決勝と決勝(ともに男子シングルス)なのですが、決勝戦はマレーが素晴らしいプレーでナダルを破ったことは、ご承知の通りです。その様子は、おそらく、WOWOWを含めた様々なメディアで伝えられたと思います。ここでは、メディアに載らなかった(であろう)ちょっとした出来事をレポートをしたいと思います。
ご存知の通り、試合前にはネットを挟んだ選手の撮影があるのですが、今回の決勝戦では、5人がカメラにおさまりました。ナダル・マレーの両選手と、車いすテニスの国枝選手、そして、二人の少年です。二人は、ともに13歳で、東北のジュニア大会の優勝と準優勝の選手だそうです。この記念写真の風景は、とてもよい絵でした。特に、ナダルは、強く感じるところがあったようで、少年たちにも、国枝選手にも、しきりに声をかけていました。
ナダルは、決勝戦終了後のインタビューでも、東北の大震災のことに触れていました。彼の、日本の大会に参加するにあたっての気持ちが、そこにあるようでした。
一方、優勝したマレーは、インタビューを短く切り上げました。「自分は、今から、ダブルスの決勝戦がある。(そこで、優勝するつもりなので)スポンサーや主催者への感謝の気持ちは、ダブルス決勝戦終了後に伝えたい」とういうことで、その場では観客への感謝の気持ちだけを伝えていました。単なる冗談ではなく、ダブルスでも勝てるという自信の表れだったのかもしれません。
マレーは、結局、(宣言通りに)ダブルスでも優勝するのですが、今回のペアは、実のお兄さんのジェイミー・マレーです。ジェイミーは、ダブルスではいろいろな大会に出ており、弟のアンディーとも時々ペアを組んでいるようです。
私は、やぼ用があり、決勝戦が終わった後に、すぐにスタジアムの外に出たのですが、ふと見ると、スタジアムコートのすぐ横のコートで、ジェイミー・マレーが一人でサービスの練習をしていました。コーチもパートナーもつかず、一人で10球ほどサーブを打っては、反対サイドでボールを拾っていました。見ている人もほとんどいなかったので、ボールを拾いに歩いていた彼に、観客席から、「弟は、優勝コメントを、ダブルスの決勝の後に残していたよ。だから、ダブルスの試合では優勝してね!」と声をかけたら、こちらに向いてにこっと笑って「OK」と言っていました。
本当は、練習中の選手に声をかけてはいけないのでしょうが、こんなふうな、ちょっとした触れ合いができるのがサイドコートの楽しいところですね。
私が見たのは、準決勝と決勝(ともに男子シングルス)なのですが、決勝戦はマレーが素晴らしいプレーでナダルを破ったことは、ご承知の通りです。その様子は、おそらく、WOWOWを含めた様々なメディアで伝えられたと思います。ここでは、メディアに載らなかった(であろう)ちょっとした出来事をレポートをしたいと思います。
ご存知の通り、試合前にはネットを挟んだ選手の撮影があるのですが、今回の決勝戦では、5人がカメラにおさまりました。ナダル・マレーの両選手と、車いすテニスの国枝選手、そして、二人の少年です。二人は、ともに13歳で、東北のジュニア大会の優勝と準優勝の選手だそうです。この記念写真の風景は、とてもよい絵でした。特に、ナダルは、強く感じるところがあったようで、少年たちにも、国枝選手にも、しきりに声をかけていました。
ナダルは、決勝戦終了後のインタビューでも、東北の大震災のことに触れていました。彼の、日本の大会に参加するにあたっての気持ちが、そこにあるようでした。
一方、優勝したマレーは、インタビューを短く切り上げました。「自分は、今から、ダブルスの決勝戦がある。(そこで、優勝するつもりなので)スポンサーや主催者への感謝の気持ちは、ダブルス決勝戦終了後に伝えたい」とういうことで、その場では観客への感謝の気持ちだけを伝えていました。単なる冗談ではなく、ダブルスでも勝てるという自信の表れだったのかもしれません。
マレーは、結局、(宣言通りに)ダブルスでも優勝するのですが、今回のペアは、実のお兄さんのジェイミー・マレーです。ジェイミーは、ダブルスではいろいろな大会に出ており、弟のアンディーとも時々ペアを組んでいるようです。
私は、やぼ用があり、決勝戦が終わった後に、すぐにスタジアムの外に出たのですが、ふと見ると、スタジアムコートのすぐ横のコートで、ジェイミー・マレーが一人でサービスの練習をしていました。コーチもパートナーもつかず、一人で10球ほどサーブを打っては、反対サイドでボールを拾っていました。見ている人もほとんどいなかったので、ボールを拾いに歩いていた彼に、観客席から、「弟は、優勝コメントを、ダブルスの決勝の後に残していたよ。だから、ダブルスの試合では優勝してね!」と声をかけたら、こちらに向いてにこっと笑って「OK」と言っていました。
本当は、練習中の選手に声をかけてはいけないのでしょうが、こんなふうな、ちょっとした触れ合いができるのがサイドコートの楽しいところですね。