2011年09月21日
全米オープン2011のカメラワークは変わってしまった…
全米オープン2011は、男女とも試合をテレビ観戦する時間がほとんどありませんでした。いろいろとよい試合があったみたいで、残念です。
じっくり観戦したのはフェデラーが2セットアップから逆転負けした試合の最初の2セットだけでした。昼間の自分のテニスで疲れていて、きっとフェデラーが勝つだろう思って眠ってしまったのですが、次の朝、結果を聞いてびっくりでした。
ということで、今年(2011年)の全米オープンについては、何も書くことがないのです…。が、一つだけ、テレビ放送で気が付いた点があります。そのことを書いてみようと思います。
4つのグランドスラム大会の放送のカメラワークには、それぞれ特徴がありました。ありました…と過去形で書いたのは、最近のグランドスラムのテレビ放送をあまりじっくりとみていないからです。私が知っているのは、1990年頃の話です。主として、4大大会のセンターコートのカメラワークについて書きます。
まず、全豪オープンですが、メルボルンの芝の大会のころは、正直なところひどいカメラワークでした。クーヨンのセンターコートでは、上の方からコート全体を俯瞰の固定カメラで映すだけです。もちろん、地上に近いカメラもありましたが、メインは俯瞰カメラでした。選手も小さくしか映りません。ボールも見づらくて、わかりにくい映像でした。
全仏オープンは、今でもそうだと思いますが、プレー以外の映像をしきりにさしこみたがります。見栄えの良い(美人の?)観客、ボールボーイ、コートの風景…。選手を映す場合にも、カメラを傾けて映してみたりと、とにかく「おしゃれな映像」を意識した番組作りの姿勢が見て取れます。クレーコート上のプレーは展開がやや遅くて地味に見える傾向にあるので、プレー以外の映像を華やかにしたいという意図かもしれません。このカメラワークは、おそらく、現在でも続いていると思います。
ウインブルドンは正攻法です。さすが、グランドスラム大会の中でも最も由緒があるだけあり、カメラワークもどっしろと構えたものです。全仏オープンのように奇をてらうこともなく、選手とプレーを正面から放送します。安心してゲームを楽しむことができる映像作りです。
グランドスラム大会の中で最も印象的だったのが、全米オープンでした。私は、全米オープンの映像が一番好きでした。好きというよりも、自分のテニスの勉強(参考)になる映像だったのです。
当時の全米オープンの映像は、選手と同じ高さの位置にカメラがありました。このカメラは、選手の背後から選手とボールを追いかける映像を見せてくれました。この映像はすごかった。この近距離で選手やボールの動きを追いかけるということは、固定カメラでは無理なのです。つまり、ボールに合わせて、常にカメラを左右に振ることになります。
これは、カメラマンやディレクターには大変な労力だと思います。しかし、そのおかげでボールの軌道や勢い、選手のフットワークとラケットワークなど、生々しく見ることができます。メシールがどんなフォームでどんなふうにボールを打つのかも、このカメラで随分とみることができました。Youtubeで公開されているヴィランデル戦をぜひ見てみてください。
しかし、今年(2011年)の全米オープンでは、この選手目線のカメラワークを(ほとんど)見ることができませんでした。どちらかというと、ウインブルドンと同じような映像制作になっていました。どうしてなのか?いつごろから変わってしまったのか?理由は時期はわかりませんが、あのすばらしいカメラワークがもう見れなくなったのだとすると、とても寂しいことです。ぜひ、復活してもらいたいです。
じっくり観戦したのはフェデラーが2セットアップから逆転負けした試合の最初の2セットだけでした。昼間の自分のテニスで疲れていて、きっとフェデラーが勝つだろう思って眠ってしまったのですが、次の朝、結果を聞いてびっくりでした。
ということで、今年(2011年)の全米オープンについては、何も書くことがないのです…。が、一つだけ、テレビ放送で気が付いた点があります。そのことを書いてみようと思います。
4つのグランドスラム大会の放送のカメラワークには、それぞれ特徴がありました。ありました…と過去形で書いたのは、最近のグランドスラムのテレビ放送をあまりじっくりとみていないからです。私が知っているのは、1990年頃の話です。主として、4大大会のセンターコートのカメラワークについて書きます。
まず、全豪オープンですが、メルボルンの芝の大会のころは、正直なところひどいカメラワークでした。クーヨンのセンターコートでは、上の方からコート全体を俯瞰の固定カメラで映すだけです。もちろん、地上に近いカメラもありましたが、メインは俯瞰カメラでした。選手も小さくしか映りません。ボールも見づらくて、わかりにくい映像でした。
全仏オープンは、今でもそうだと思いますが、プレー以外の映像をしきりにさしこみたがります。見栄えの良い(美人の?)観客、ボールボーイ、コートの風景…。選手を映す場合にも、カメラを傾けて映してみたりと、とにかく「おしゃれな映像」を意識した番組作りの姿勢が見て取れます。クレーコート上のプレーは展開がやや遅くて地味に見える傾向にあるので、プレー以外の映像を華やかにしたいという意図かもしれません。このカメラワークは、おそらく、現在でも続いていると思います。
ウインブルドンは正攻法です。さすが、グランドスラム大会の中でも最も由緒があるだけあり、カメラワークもどっしろと構えたものです。全仏オープンのように奇をてらうこともなく、選手とプレーを正面から放送します。安心してゲームを楽しむことができる映像作りです。
グランドスラム大会の中で最も印象的だったのが、全米オープンでした。私は、全米オープンの映像が一番好きでした。好きというよりも、自分のテニスの勉強(参考)になる映像だったのです。
当時の全米オープンの映像は、選手と同じ高さの位置にカメラがありました。このカメラは、選手の背後から選手とボールを追いかける映像を見せてくれました。この映像はすごかった。この近距離で選手やボールの動きを追いかけるということは、固定カメラでは無理なのです。つまり、ボールに合わせて、常にカメラを左右に振ることになります。
これは、カメラマンやディレクターには大変な労力だと思います。しかし、そのおかげでボールの軌道や勢い、選手のフットワークとラケットワークなど、生々しく見ることができます。メシールがどんなフォームでどんなふうにボールを打つのかも、このカメラで随分とみることができました。Youtubeで公開されているヴィランデル戦をぜひ見てみてください。
しかし、今年(2011年)の全米オープンでは、この選手目線のカメラワークを(ほとんど)見ることができませんでした。どちらかというと、ウインブルドンと同じような映像制作になっていました。どうしてなのか?いつごろから変わってしまったのか?理由は時期はわかりませんが、あのすばらしいカメラワークがもう見れなくなったのだとすると、とても寂しいことです。ぜひ、復活してもらいたいです。